2025年2月18日
株式会社GFLOPS(以下、GFLOPS)と理化学研究所(以下、理研)は、スーパーコンピュータ「富岳」のサポートサイト(以下、富岳サポートサイト)において、従来、利用者からのフォーム入力による一次問い合わせの対応を有人で行っていましたが、生成AIアシスタント「AskDona(アスクドナ)※1」による自動化対応へと完全移行したことをお知らせいたします。
「AskDona」は、富岳サポートサイトからの利用者の一次問い合わせに対し、自己解決を促進することを目的として、昨年7月より検索拡張生成※2(RAG)技術を応用した生成AIチャットとして導入されました。導入にあたっては、回答精度の高さ等について厳正な審査を行い、大量かつ複数ファイルを同時に対応できる独自のRAGの仕組みが高く評価されました。
AskDonaの導入時のプレスリリースについての詳細はこちら
約半年間の運用実績において、「AskDona」は、「富岳」利用者からの問い合わせに対して的確な回答を提供すること、自己解決を促進するツールとして十分に活用されていることが確認されました。また、ハルシネーションのリスクやユーザーの利用動向などについて慎重にデータ分析を行った結果、回答精度および実用性において、一次問い合わせ対応を担う上で十分な水準に達していると判断しました。これらの実績を踏まえ、2025年2月より、「富岳」利用者からの一次問い合わせ対応は「AskDona」による生成AIアシスタント対応に完全移行しました。
理研計算科学研究センター(R-CCS)では、生成AIの活用を積極的に推進しており、同センターにおける生成AIの取り組みについては、以下のインタビュー記事をご参考にご覧ください。
本インタビューでは、松岡センター長に、世界最高峰スパコン「富岳」の社会実装に向けたビジョンや、生成AIとの融合に対する深い見識について語っていただきました。
インタビューを読む株式会社GFLOPS(ジーフロップス)は、最先端のAI技術と、データ分析力を強みとし、企業の業務効率化とイノベーション創出を支援するAIソリューションを提供しています。特に、大規模言語モデル(LLM)とRAG(検索拡張生成)技術を組み合わせた独自のソリューションは、高い回答精度と柔軟性を実現しており、多くの企業で導入が進んでいます。
会社名:株式会社GFLOPS(英語表記:GFLOPS Co., Ltd.)
代表者名:盛本マリア 共同代表:鈴木亮祐
本社所在地:東京都渋谷区
事業内容:大規模言語モデル(LLM)生成AI技術等を活用した、AIサービスの開発・提供
日本で唯一の自然科学の総合研究所として、物理学、工学、化学、数理・情報科学、計算科学、生物学、医科学などに及ぶ広い分野で研究を進めています。また、研究成果を社会に普及させるため、大学や企業との連携による共同研究、受託研究等を実施しているほか、知的財産等の産業界への技術移転を積極的に進めています。
理事長: 五神 真
本所所在地:埼玉県和光市
※1 AskDona(アスクドナ):理化学研究所R-CCSが富岳サポートサイトに導入済みの生成AIチャット。RAGの応用技術を用いて、「富岳」のマニュアルや技術ドキュメントを参照しながらユーザーの質問に答える仕組みを備える。AskDonaサイトURL:https://askdona.com
※2 検索拡張生成、Retrieval-Augmented Generation(RAG)の略。大規模言語モデルが回答を生成する際に、外部のドキュメントやデータソースをリアルタイムで参照させる技術。ハルシネーション(誤情報の生成)の抑制や回答の正確性向上に寄与する。