Tokyo, Japan

評価AIエージェント搭載、AskDona「Batch Assessment」提供開始

システムリスクアセスメント業務を効率化

2025年12月22日

スーパーコンピューター「富岳」の画像
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 株式会社GFLOPS(以下、GFLOPS)と株式会社JSOL(以下、JSOL)は、GFLOPSが提供する高精度なRAG(Retrieval-Augmented Generation)が搭載された法人向け生成AIプラットフォーム「AskDona®(アスクドナ)」を活用し、システムリスクアセスメント業務の正確性と標準化に向けて検証を進めてきました(以下、本検証)。GFLOPSとJSOLは今後、パートナーとして、システムリスクアセスメント業務などアセスメント業務を効率化する評価AIエージェントを搭載した機能、AskDona「Batch Assessment」を本格的に提供開始する予定です。

◾️システムリスクアセスメントの検証背景と目的

システムリスクアセスメントとは、情報システムに潜むリスクを調査し、その影響度を評価するものです。特に金融機関においては金融庁が定める「金融分野におけるサイバーセキュリティに関するガイドライン」を基に、自社システムにおけるリスクの特定と評価を実施する必要があります。

NTT データおよびSMBC グループの一員であるJSOLは、企画・販売するシステムサービスや社内業務システムについて、SMBCグループが定める400項目に及ぶシステムリスクアセスメントを年1回実施、その結果を基にシステムリスク対策を実施する中で、担当者にとって大きな業務負担となっており、年間約4,300時間(約570人日)もの工数を要していました。

【具体的な課題】

・担当者によってアセスメント項目の解釈や評価に差異が生じていた

・400ものアセスメント項目/基準の読み込みと評価、関連記述の探索と抜粋、根拠資料の付与などの確認作業が膨大であった

本検証では、JSOLの社内業務システムに関連する複数の社内文書から適切な情報を検索する手段として、GFLOPSが提供するRAGを応用し、JSOLが事前に定義するアセスメント項目に対してAskDonaのRAGデータベースからAIエージェントが適切な根拠を調査の上評価を行い、人手に依存してきた多大なシステムリスクアセスメント業務の一次評価をAIが担うことにより、業務を効率化することを目指しました。

GFLOPSが提供するRAGを基盤とした生成AIプラットフォーム「AskDona」は情報網羅性の高い回答生成をするAgentic RAGの技術を応用しており、RAGデータベースに登録する社内情報などのデータに手を加えなくても回答精度が高いことやRAGのチューニングが不要であることを理由にAskDonaが提供するRAG(以下、AskDona RAG)が本検証を行う中核の技術として活用されています。

◾️システムリスクアセスメントの検証内容

本検証は、大きく「技術検証期間」と「業務適用期間」に分けて実施し、2025年4月から10月にかけて行いました。

「技術検証期間」では、100を超える対象システムに関する設計・運用ドキュメントをAskDona RAGのデータベースに登録し、約400のアセスメント項目に対して、システムの特性に応じた対象条件や対象外条件を設定しました。その上で、登録した情報を正しく参照し、AIエージェントが証跡に基づいた評価を実施できるか、判定の精度について検証しました。

「業務適用期間」では、JSOLの今年度のシステムリスクアセスメントの実施に合わせて、技術検証を経たGFLOPSのAIエージェントを搭載したAskDona「Batch Assessment」を実際の業務フローに適用しました。これにより、JSOL社員の業務効率化の実感やプロセス改善への寄与度、業務効率化や時間削減効果を確認しました。

◾️システムリスクアセスメントの検証結果

「技術検証期間」では、JSOLが前年度に実施した脆弱性評価結果を基準に、AIエージェントの判定精度を検証したところ、対象システムにおける「対応」「未対応」「対象外」「判断不可」の4区分判定において、90%以上の精度が確認されました。評価に必要な情報が不足している項目については推論を行わず、「評価不可」という評価結果と判定のために不足している情報を提示します。

「業務適用期間」では、AskDona「Batch Assessment」を活用してアセスメント項目の解釈や評価、評価結果の記載の一次評価をAskDonaが行うことにより、1システム当たり平均45%、JSOL全社で年間約2,000時間(約260人日)を削減し、システムリスクアセスメント業務にかかる時間が年間約4,300時間(約570人日)かかっていたところ、年間約2,300時間(約300人日)まで削減できることが確認できました。

◾️AskDona「Batch Assessment」を活用したシステムリスクアセスメントの効率化

JSOLはシステムアセスメント業務の課題に対してアクションに6つのステップを設けており、本検証において、担当者負荷が高い「step3 検査項目の対象システム向け解釈」「step4 根拠資料の収集」について、AskDona「Batch Assessment」が有用なシステムであることが確認されています。詳細は、JSOL社のプレスリリースも合わせてご参考ください。

[JSOLのシステムアセスメントの課題に対するアクション]

  • step1 アセスメント対象システムの選定

  • step2 検査項目のテーラリング

  • step3 検査項目の対象システム向け解釈

  • step4 根拠資料の収集

  • step5 検査結果の記入・評価

  • step6 アクションプラン策定

◾️AskDona「Batch Assessment」機能のご紹介

Batch Assessmentは、事前に定義された多数のアセスメント項目に対し、AskDona RAGが参照したドキュメントや規定類などの情報をもとに、評価AIエージェントが自動で判定を行う機能*です。管理者が設定した評価基準に基づき、「対応済み」「未対応」「対象外」などの区分を一括評価し、各判定の根拠となる証跡および参照箇所を提示します。情報が不足している場合には推論を行わず「判断不可」とし、不足している情報を明示します。従来は担当者の経験や解釈に依存しがちであったアセスメント業務において、判定基準の統一と評価プロセスの明確化を支援します。

評価基準と参照するナレッジを変更することで、IT統制評価やコンプライアンスチェックなど、幅広いアセスメント業務にも柔軟に適用可能です。業務ごとのルールに合わせて評価の仕組みを再利用でき、さまざまな領域での効率化に寄与します。

GFLOPSが提供するAskDona「Batch Assessment」は、JSOLと共同販売パートナーとして、来年度へ向け本格提供を開始する予定です。


*AskDona RAGは情報源の検索と証跡提示を担い、評価AIエージェントがその情報に基づき判定を行います。

<株式会社GFLOPSについて>

株式会社GFLOPS(ジーフロップス)は、「AIに任せられる業務はAIに、人は人だからこそ価値を生む業務に」という理念のもと、法人向けRAGソリューションを提供しています。機密レベルの高い文章の取り扱いも可能にするセキュアな基盤構築を目指し、AIモデルの開発と独自のRAGアーキテクチャに注力しています。

会社名:株式会社GFLOPS(英語表記:GFLOPS Co., Ltd.)
代表者名:盛本マリア 共同代表:鈴木亮祐
本社所在地:東京都渋谷区
事業内容:大規模言語モデル(LLM)生成AI技術等を活用した、AIサービスの開発・提供
会社HP:https://gflops-ai.com/

<株式会社JSOL>

株式会社JSOLは、株式会社NTTデータと株式会社日本総合研究所が出資するシステムコンサルティング・ソリューションインテグレーターです。

2006年の設立以来、製造、流通サービス、金融、公共分野で培った豊富な業務ノウハウとシステム開発力、エンジニアリングサイエンス分野における先進的な解析技術に強みを持ち、お客さまの価値向上に貢献しています。

代表取締役社長: 永井 健志
本所所在地:東京都千代田区九段南1-6-5 九段会館テラス
Web:https://www.jsol.co.jp/

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